「金の卵」生む細菌を発見、カナダの研究チーム [金の卵]
【2013年02月04日】2月3日の英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー(Nature Chemical Biology)」には、「水に溶けた状態の金を、微少な金塊に変える細菌」を発見したとの研究が、発表された模様。
「デルフチア・アシドボランス(Delftia acidovorans)」は小さな金塊の表面で頻繁に見つかる細菌。
科学者らは、この細菌が金の表面に存在する理由について、金の固体化に関与しているのではないかと考えてはいた。
だが、有毒な金イオンをどのように固体化しているのかについては分かっていなかった。
この答えを、カナダの研究チームが発見したらしい。細菌が分泌する代謝物が、細菌自体を有毒な金イオンから保護すると同時に、金イオンを固体化していたという。
まさに「金の卵」を生む細菌の発見と言える。
「分泌された代謝物には有毒な金から身を守る作用があり、金のバイオミネラル化を生じさせる作用があることを示す初めての事例」と、研究チームは論文で述べている。
この代謝物は中性かつ室温の環境下なら、わずか数秒でこの処理を行うという。
実験室内で細菌を使って金を生産することが可能かどうかについては、金の生産目的での培養は「不可能ではない」とされる。
水に溶けた金は目には見えず、海や地下水他、天然水源に存在する。
デルフチア・アシドボランスは金の表面だけでなく、土壌や水の中にも生息しているが、何を栄養源にしているのかはまだ特定されていないようです。
デルフチア・アシドボランス(Delftia acidovorans) とは、コマモナス科デルフチア属に属する真正細菌の1つ。
この細菌は生物に有毒な金イオンに対して耐性を持ち、また金イオンを微小な金塊に変える能力を持つとされる。
金イオンは単体の金とは異なり強い酸化力を持つため、ほとんどの生物に対して毒性を示す。
このため、デルフチア・アシドボランスがなぜ有毒な金イオンに対して並外れた耐性を持っているのかは謎であった。
カナダの研究チームによって、デルフチア・アシドボランスが分泌する代謝物である「デルフチバクチンA」が、水に溶けた金イオンから生体を保護し、また金イオンを無毒な金の単体に変える能力を持つことが突き止められたのです。
「デルフチバクチンA」は、室温で中性の環境ならば、数秒でこの作用を行うことができる。金の生体鉱物化は初の発見らしい。
デルフチア・アシドボランスから生成される金塊は純度が高いとされている。
デルフチア・アシドボランスは自身が生み出した金塊の中に生息することもできるようです。
4000光年先にダイヤモンドの惑星発見 米誌サイエンス [ダイヤ惑星]
2011年8月29日発表、地球から約4000光年離れた銀河系に、「ダイヤモンドで出来た惑星」を発見したとの論文が、8月25日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載されたという。
オーストラリア、ドイツ、イタリア、アメリカなどの科学者から成る国際研究チームが、電波望遠鏡での観測によって天の川の中にある1つの銀河系に”ダイヤモンド惑星(diamond planet)”を発見したのである。
国際研究チームが、豪国立自然科学産業研究機関(CSIRO)の電波望遠鏡で発見したこの「ダイヤモンド惑星(diamond planet)」は、直径およそ6万キロと地球の5倍程度のサイズで、質量は木星より大きい。
高速で自転し、直径20キロほどのパルサー(中性子星)の周りを2時間10分程度で公転しているという。
パルサーとは、強力な磁場を持ち、パルス状の電波や光線を発して点滅しているように見える中性子星である。
「ダイヤモンド惑星」は、かつては太陽のような巨大な星だったがエネルギーの大半をパルサーに奪われて、現在のサイズの白色矮星(白色わいせい)になったとみられる。
豪スウィンバーン工科大学のマシュー・ベイルズ教授らが、惑星が周回する中性子星から発せられる放射線を調べた結果、同惑星は通常よりはるかに高密度で、密度は木星の約20倍、その主成分は炭素であることが判明したという。
この惑星(白色矮星)は、密度が非常に高いことから、主成分の炭素は、結晶化して大部分はダイヤモンドのような物質(結晶質)になっているらしい。
その輝くダイヤモンド惑星が電波望遠鏡の観測で発見されたのであるが、それは今から4000年昔の星の姿である。
花の季節到来でミツバチたちは大忙し、仏北部リール [蜜蜂 ミツバチ]
【2013年06月27日】フランス北部リール(Lille)では今、ミツバチ(蜜蜂)たちが野原に咲く花々からの「花粉や蜜」の採取に大忙しのテンテコ舞いらしい。
ミツバチ(蜜蜂)は、ハチ目ミツバチ科に属する昆虫の総称です。
セイヨウミツバチは ヨーロッパ・アフリカに分布する。世界中に移入され、主に近代的養蜂に用いられる種(蜜蜂)です。
イタリアミツバチはセイヨウミツバチの亜種で、ヨーロッパ・アメリカに分布する。世界中の養蜂家によって飼育されている。
この亜種(蜜蜂)は非常に気性が穏やかで、大量の蜂蜜を集めると言う。
ニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種で、韓国に生息するトウヨウミツバチとは近縁らしい。
日本には在来種のニホンミツバチとヨーロッパ原産のセイヨウミツバチの2種が分布している。
日本ではニホンミツバチ、セイヨウミツバチの2種が養蜂されており蜜の採取が行われている。
古くから使われていたニホンミツバチに比べ、より多くの蜜を採集するセイヨウミツバチは1877年に導入された。
セイヨウミツバチの養蜂は規格化された巣箱を用いて大規模な採蜜が行われるが、ニホンミツバチの場合は野生集団を捕獲して養蜂し、採蜜は巣を破壊して搾り取ると言う手法で、蜂蜜の流通量も少ない。
ちなみにミツバチは蜜源(花)を見つけると巣内の垂直な巣板の上でダンスを行い、仲間に蜜源の方向と距離を伝えると言う。
幼虫の餌やローヤルゼリーの原料とするため、働きバチは花粉をだんご状にして後脚の脛節にある花粉かごにつけて運び、巣に蓄える。
蜂蜜は「花から得られる糖分と水分、ミツバチ体内の転化酵素」が濃縮された物質で、ミツバチの食糧(餌)として巣に蓄えられる。
通常メス(雌)の幼虫は主に花粉と蜂蜜を食べて育ち働きバチとなるのだが、働きバチの頭部から分泌されるローヤルゼリーのみで育てられたメス(雌)は交尾産卵能力を有する女王バチとなる。
なお受精卵からはメス(働き蜂または女王蜂)が生まれるが、受精せずに産まれた卵(未受精卵)からはオス(雄)が生まれるらしい。